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難削材の評価基準難削材の評価基準

被削性指数による評価ASSESSMENT

工作物の切削のしにくさを定量的に示す指標に、被削性指数率があります。この指数は硫黄快削(AISI‐B1112)鋼を削り、一定の工具寿命に対する切削速度を100として、比較する工作物材料の同一工具寿命に対する切削速度を百分率で表すものです。

被削性率M.R

表1は代表的な工作物の被削性率です。快削鋼を100とすれば、マルテンサイト系のステンレス鋼は55〜40、チタニウムは30〜20、インコネルXは15〜6となります。

代表的な工作物の被削性率

ただし、以下のようなケースでは被削性指数が適用できないことがあります。

  • 切削加工の形態(例:フライスor旋盤)の違いで特性が異なるケース
  • 切削工具の材種が超硬以外のものであるケース
  • 切削データの無い新素材のケース

難削材の被削性ピラミッドASSESSMENT

また、図2に工具損傷の視点に立ち、加工の難易度を表した難削材のピラミッドを示します。 この表は難削性を、工具寿命と適用できる加工条件との関連において示したものです。

例えばセラミックスは工具寿命が最も短く、また適用できる加工条件の幅も非常に狭く、その結果最も切削しにくい材料であると位置づけています。

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難削材のピラミッド

実際には、難削材の種類や削りにくさの程度は、材料特性と切削加工の技術レベルの関係で決まります。 従って、難削材のピラミッドの被削性の順位は、技術者の技術力や技能、ノウハウの習得レベルで異なってくるのです。

ですから、この図のピラミッドの頂点に近い位置にある難削材でも、長い間 研究と経験を積み上げて技術力を培うと、底辺方向に移動させることができるし、このピラミッドから除外することも不可能ではありません。

難削材のピラミッドは一般論としての指標と考えていただければ良いでしょう。

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